詩13「贖罪」

3番どこから?

ああ、あそこ

随分とおいのね

ロングホールだな20メートルくらいか

3回で入るかしら

カツン、と小気味よい音

母の打った真っ赤なプラスチックボールは

草むらへと姿を隠す

あらいやだ

また草の中

真っすぐ打ててないんだよ

テイクバックはも少し小さく

フォロースルーはしっかり止めてだな

こう

こう?

そう

じゃあ僕の番だ見てろ

勢いよく打ち出したボールは

やっぱり草むらの中

なによあなた一緒じゃない

おかしいな

おかしいのよあなたも

楽しそうである

良かった

父母がグラウンド・ゴルフとやらに興ずるのを

僕はスコアラーとしてついて行く

四月の暖かな日曜

今までならば孫も一緒に

この行楽についてきた

もうそれは叶わない

せめて

僕のこれからの休日全てを

この愛すべき親たちに使ってやろう

それがこの僕にできる

ほんのささやかな罪滅ぼしだ

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